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188_八勝館

2015年08月11日 15:23

この夏の連休は、愛車に乗り、四国・九州・中国地方を旅しようと考えていた。地方の社寺建築を見て廻ろうと。実はこの行為、「見る」というよりは「抜く」に近い。Google Earthに刺されたピンを抜いていく。五木寛之の百寺巡礼と、神社トラベルに記載されていた場所を、廻ろうと思っており、いわば、ノルマを達成するようなものなのだ。そのなかで、今どうしても行きたい建築は投入堂のみであったため、鳥取を除き、後はキャンセルとした(これは、二週間前に痛めた腰のせいでもある)。

代わりに、私は八勝館へ足を運んだ。前々日、電話してみたら、予約できたのである。見学のみは不可なので、料理を頂くことになるのだが、そのことを京都の職人さんに伝えたら、行きたいという話だったので、二人分予約し、伺った。

二人分の食事代は、それなりに立派な値段だったが、実に三時間半、私たちはこの時間と空間を楽しんだ。この金額は、とても安過ぎた。

出迎えから、部屋までの歓迎。
「残月の間」から広がる、庭の優美さ
仲居さんが料理を運ぶ時の、美しいしぐさ
女将のオーラと聡明さ
料理の色彩
茶碗の構成
庭で焼かれた鮎の匂い
ちょっとした、にくいほどの演出
あまりにも細く、低い、数寄屋建築

コースに含まれた全てのメニューは、いわば第一章だった。

我々は会計を済ませ、庭を拝見するために立ちあがった。ふと、興味本位で反対側の廊下へ歩き出すと、空いた戸の向こうに、あの空間があった。堀口捨己設計、近代数寄屋造りの傑作「御幸の間」だった。仲居さんに聞くと、快く案内してくださった。

私は、この空間に酔いしれた。低く、襖と簾の先に繋がる月見台と庭。
繊細に組まれた線による天井と、それを対比するように穿かれた床(とこ)。桂へのオマージュとして連想された丸窓。
襖に張られた装飾豊かな生地と、空高く舞い降りた滝のような掛け軸。

それから、女将と仲居さんに見送られ、庭をゆっくり散策。御幸の間がこんなにも小さく、月見台の余りの線の細さに驚く。玄関に戻ると、女将と仲居さんが待っていた。私は客でありながら、ふかふかと頭を下げ、夏のコンクリートの群れに、再び身体を埋めていった。

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