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水盤の彼岸に、夢を見ながら

2015年08月08日 22:16

お寺の企画設計をしている。現状、まだ営業設計である。そのため、受注に繋がるかはわからない。しかし、この2回の施主打合で、私はこの仕事をしたいという、その想いが強くなっている。

なぜならば、会話が通じるのである。

今回の計画では、建物を介し、水盤を配置した。「この水盤は、人が入ることができないゆえに、計画する意味がある」と、私は住職と檀家さんに説明した。私の本心を、話したのである。

住職も檀家さんも、とても共感して頂いた。

考えれば、私はこれまでの施主定例のなかで、本心を話したことはどれほどあっただろうか。意匠的に凝ったことをするためには、デザインではなく、機能から説明し、コストはやんわりと避けて話す。つまり、自分が本当に実現したいと考えていることを、正面から話すことはしなかった(今までの施主が、意匠的に凝ったものを要望する人が少なかったということもあるだろうが・・・)

ただ、私は今、心から話している。コストは上がるだろう、メンテナンスも大変だろう、でも、これがいいのだと。

それは、いわば、私はこの建築を建てたいと考えているからである。今まで携わった仕事でいえば、建たない方がよりよいと、ずっと思っていた。あくまで仕事のため、であれば、出来るだけ良い建築をと思い、自分なりに頑張ってきたのである。

この連休も、仕事を持ち帰り、今日も図面と模型を作製した。企画設計なので、展開図を描くのは初めてである。図面を描くと、見えてくるものはたくさんある。これまで訪れた社寺建築の写真を見返しながら、私は、これまで出会った建築についても、再度学んでいるのである。

先輩からは、「PORCO楽しそうだなぁ。羨ましいよ、ほんと。俺なんか、今後どうしようとか、ほんとにわからないもん」と言われたが、そう言われも、どう言い返してよいかわからない。私は底辺の人間なのだ。他人から羨ましがられるような人間ではない。でも、思い返すと、私はこの5年間、ある意味、耐えてきたのだ。社寺設計をしたいと社内で発言すれば、驚かれ、皮肉られ、鼻で笑われてきたのである。社寺設計ということよりも、自分たちの道から外れようとすることが、サラリーマンの感覚からすれば、あまり好ましく映らないのだと思われる。

それでも、肩身が狭い思いをしながら、言い続けたのだ。それが、結果的に、今に繋がっている。5年前、声をあげなかったら、今はないのだ。そして、心ある周囲の上司の計らいで、私は今、この仕事をしている。

とれるかわからない企画設計に対し、多くの図面を作るのは、はっきりいって設計料の無駄である。会社としては好ましくない。ただ、私はサラリーマンではない。建築家である。建築は、建築をつくる職業である。だから、私はまず、建築をつくろうと思う。

連休明けには、もしかしたら消えている話かもしれない。住職に乗せられているだけかもしれない。それでも良い。なぜなら、私は今建築に触れようとし、会話をしているからだ。それは私にとって、長年の夢だったのだから。

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コメント

  1. 静岡のY | URL | -

    Re:水盤の彼岸に、夢を見ながら

    ご無沙汰です。
    仕事相手に心から話が出来るって、素敵な事だと思います。
    建築との会話を楽しんで、良い連休を過ごして下さい。
    ちなみに私は今日から家族と北海道です。
    家族と親戚と一緒に過ごす事が目的ですが、アルテピアッツァ美唄という所だけは、建築的な興味も持って訪れる予定です。
    それでは、また。


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