奇跡の本

2014年12月20日 21:59

『奇跡のリンゴ』著:石川拓治 を読む。

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ずいぶん前から書店に並んで知っていた本だが、先日加子母を訪れた際、喫茶店で見つけて興味を持ち、翌日文庫本を購入した。少しでも時間があると読んでいた。それくらい、久々に熱中した本である。

内容は、不可能と言われていた無農薬リンゴ栽培に挑んだ木村秋則さんのお話。詳しくは本を読んでいただければよいが、ある意味人が意図的に作り出したリンゴという果物栽培に、無農薬で挑むという論理的矛盾を達成するまでの話で、これが農業の話かと思えば、もっと人間的で哲学的な話である。

彼のリンゴの樹や虫に対する想い、自分はただ手助けしているだけで、樹が頑張ってリンゴを実らせてくれているという想いに純粋に惹かれる。

本を読みながら、Youtubeで動画なども観ていたのだが、私が感銘を受けたのは、木村さんの話し方や姿勢だった。満面の笑みで冗談交じりで物事を語る人は、それなりに知っている。そしてそれは、何か哲学的な思考を得た人に多いことも知っているが、木村さんがすごいのは、それを広めようとしているところである。農薬や化学肥料の問題を、地球規模の生態系で論じている。地球規模といっても、その元は、地球のなかのちっぽけな面積でしかない畑で得たのだろうけど、要は「その場所」のみで話を完結させるなら、大して難しい話ではないが(世俗から身を切り離し、自分だけの価値観を築けばよいので)、それを大衆に広めようとする社会性に私は希望を見た。同時に、木村さんという人は仙人でも何でもなく、(何欲かはわからないが)欲のある、普通の人間であるという安心感もあった。

かつて、黒板五郎に憧れた時期もあったように思うが、今(少なくとも今の私は)そうなってはいけない。そして、今この本に出会ったのは、それこそ小さな奇跡のようなものである。書店にあっても手に取らなかったが、加子母の暖かい喫茶店では、読む気になった。それもまた、小さな奇跡である。

最近、身体が軽い。それは、私の小さな意志が動き始めているからである。今度はどうだろうか。何か実現するのだろうか。しなくてもよいではないが。私に必要なのは、少しだけ、じっと堪えることである。結果はおのずとやってくるのである。

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