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償い

2014年11月29日 20:03

昨日、昼の12時37分のメールだったか、それを38分頃確認してから、一日はゆっくり動き始めた。

45分頃、計画変更の図面一式を両手に持ち、通路を歩くと、ちょうどその人は向こうからやってきた。視線をそらすためか、パーティションに貼られた年賀状を見て、私とやり過ごしたかのように思えた。先々週の木曜日、夜10時頃にかけた言葉から、先週木曜日、言われた言葉。今週火曜日の談笑を最後に、どこかしっくりきていないように思えた。昨日、早朝に送ったメールが、その人を辟易させたのかもしれない。そう思ったのである。

計画変更を出してから、近くのスタバへ向かった。平日のスタバは空いていた。午後15時からの講演会まで少し時間があるため、ラテを注文し、メールを打った。私は、これまでとは少し違うつもりでいた。唐突ではないし、しっかり顔を見て話をしてきた。だから、さほど躊躇いはなかった。すぐに返事が返ってくるとは思わなかったが、やはりしばし携帯が鳴ることはなく、最近の疲れからか仮眠をとった。

その後、建築家竹原義二の講演会へ。少し興味があった建築家であり、素材についてのレクチャーだったため、参加してみた。久々に「建築家」の話を聞いたが、なかなか面白かった。某大手建材メーカー主催なのだが、竹原氏はいかに本物の素材を、素材の合った使い方をするかということを熱弁していた。興味深かったのは「これ、いいんですよ」「とても気持ちがいいんですよ」など、自分の作品を絶賛する。いや、これは違う。彼がそう言葉を発するのは、作っているのが竹原氏ではないからである。作っているのは素材であり、そのための構法であり、そして職人である。彼はあくまで設計者として、話していた。だから「彼ら」が成し遂げた美に対して、絶賛していた。これは、私にとってはとても気持ちが良かった。

それから仕事の電話を済ませてから、西の闇へ。連絡が来るまでの間、しっかり待っているだけの精神的余裕が私にはなかった。どこか、排気ガス渦巻く、汚い世界に身を置きたかった。その時間は、やはりどうしようもなかったが、どうしようもないことに金と時間をかけることで、自分の精神状態を保っていた。

惹き返しても、何も返事がないことを思うと、私は絶望していた。いつかと、またいつかと同じであると。私は犯罪者であった。講演会へ行く途中にあった神社で、その人が健やかで軽やかであることを願ったが、願いは届かなかったのか。私は、もはや没落した人間でしかないのかと。食欲もないまま、コンビニでパンを買い、帰りの電車に乗る。

社内にて、そのメールは突然入った。私は一気に読んだ。そして、とても暖かい気持ちになった。さだまさしの「償い」を聴いていたこともあるが、自分が許されたような気がした。そしてすぐメールを返した。

家に帰り、シャワーを浴びて、もう一往復メールのやり取りがあってから、私はまったく食事をとっていないことに気づき、鞄のなかからパンを取り出して食べた。それは、決しておいしくはなかったが、僅かに幸福な味がした。

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