心地よい住まい論

2014年11月24日 20:31

先日、母と香嵐渓に行った際、しゃれた本屋で見つけ、購入し、読み終える。

『ぼくの住まい論』著:内田樹

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内田樹の道場兼自邸の「凱風館」は以前から知っており、それに関する本がたくさん出ていることも知っていたが、どうも読む気がしなかった。まず、あの建築の形に興味が湧かなかった。さまざまなスペースの繋がりで、それが外形にも表出しているのだろうが、よくある学生的な手法な気がして、単に外装面積が増え、雨処理が難しくなるだけではないかと思えてしまった。シーランチなどは、何かしらの正当性を感じてしまうのだが、これはある異種の「お遊び」のように思えてしまった。

この本を購入したのは、売っていた本屋がとても心地よかったからである。そして、陳列された本が美しく、その雰囲気に誘われたのだ。ただ、やはり内田氏は尊敬に値する思想家であると、この本を読んで改めて思った。いくつか備忘録として残す。

まず、日本の林業や職人の問題については、改めて納得した。日本の森林が高齢化しているという点は、私が社寺建築を志す一つの明確な理由であるが、内田氏はそれを肌で感じていた点は、とても好感が持てた。

それから本棚について。内田さんの本棚には、読んでいない本、そして、いつか読むべきと自分を戒める本がたくさんあるらしく、内田さん曰く「本棚は、自分が周りからどう見られたいかの表出」なのだそうだ(正確な引用ではない)。

2階のセミパブリックやプライベートな空間には、特段の興味はなかったが、1階の道場の記述は心地よかった。そこは「無の空間」なのである。私が建築に求めるものである。建築畑でない人が論じる建築論の方が、最近は好きである。

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