飛行船時代の時計

2014年06月01日 20:00

ここ数週間、腕時計を探していた。

もとはと言えば、ちょうど一カ月前の飲み会により、この歳で何を今更ながら、ちょっと自分の服装に気を遣おうと思ったのが始まりである。私はあまり服にお金をかけない。興味がないわけではないが、服は消耗品であるし、どちらかと言えば、涼しい風に当たりながら、野原でごろんとなれる方が、私としては優れた服装だと思えてしまうからだ。

今回のことを受け、良いシャツでも買おうと高島屋など覗いてみるが、値札を見ると、どうも買う気が失せてしまう。同じようなクオリティは、日本の技術ならいくらでもできるだろうから、結局はブランド名を着させられるような感覚がある。

考えた結果(実際そんなに考えていないが)、服装はユニクロでいいから、靴やベルト、アクセサリーをしっかりさせれば、全体的にまとまるのではないかと考えるに至った。私は元々、素材感があるものが好きで、故に「モノ」が好きなのである。靴はビルケンシュトクのお気に入りがあるので、すり減ったソールを貼り替え、先週バーバリーのベルトを購入した(今まで付けていたベルトは、高校生の頃、百円で5本購入したもの・・・)。

後はアクセサリーだが、私は必要以上に装飾は付けたくない方なので、時計を新調しようと思い付く。これまでしていた時計は、会社でもプライベートでも、16年前ハワイで購入したスウォッチの腕時計である。電池交換をしながら、特に問題なく使用してきた。この時計には愛着があったため、ここ数年は時計に全く興味がなかった。ただ、この時計はファッション性がないというか、綺麗にまとまったおとなしいデザインではある。もう少し、大き目で、ファッションのポイントとなるようなものがほしい・・・。

購入するからには、出来れば一生使えるようなものがほしいと思い、時計店を見て歩き、雑誌を購入し読む。結局のところ、最初に行きついたのはロレックスだった。誰もが知っている高級ブランド時計。最初値段の高さにビックリし、正直何が良いのかわからなかったが、時計について考えるうちに、ロレックスの時計が頭にこびりつき、また、その高額の理由も理解し、むしろ魅力となっていった。

昨日、電機量販店の時計コーナーに寄ったら、お目当てのロレックス・サブマリーナーが並んでいたため、手にとって付けてみた。何ともしっくりくるというか、この重量感。正直、惹かれてしまった。30歳になるし、これも一つの記念かと思い、約70万するサブマリーナ-を購入しようかと考えていたら、同じ店頭に目を惹く時計があった。それは、文字盤がやや古典的で、かつシンプルな印象があり、私の好みに合っていた。しかも、値段が5万以下がほとんどでリーズナブルだった。高級ブランド時計雑誌を読んだが、このメーカーは知らなかったため、名前を控えその場を去った。

その時計は『ZEPPELIN』という、ドイツの時計だった。調べると、1987年創業のメーカーで、ドイツ式の精密さと、リーズナブルさ、そして、硬式飛行船ZEPPELIN号に倣った、古典的なデザインを主眼としていた。雑誌に載っていないメーカーであり、ネットでのコメントも少なく、情報がなかなか得にくかった。ロレックスを購入しようか迷っていたことを考えると、サブマリーナ-の消費税で買えてしまうZEPPELINの時計は、少し安っぽく感じてしまったのも確かだ。しかし、ZEPPELINの思想には魅せられるものがあった。100年前の飛行船。近代への夢を飛んだ発明品。宮崎駿の影響も多分にあると思うが、技術や思想に、夢と希望がつまっていた時代。そこ郷愁には、多いに惹かれるものがあった。

また、家に帰り、LEON(まさか私がこのような雑誌を購入するとは!)を眺めていると、ほとんどロレックスかそれに近いモデルをしており、また、ここ数週間時計を意識していたため、行きかう人の腕時計が気になったが、ダサい服を着ながらゴージャスな時計をしている人をよく見たため、一気にロレックス熱が冷めてしまった。

ZEPPELINの時計は、いわゆる高級時計店には置いておらず、中級レベルの時計ショップに置いてあるため、本日その店を訪ねた。昨晩、とある狙いをつけた時計があった。『100 Year Zeppelin 7662-1』という、1900年に誕生したZEPPELIN飛行船の第一号「LZ1」の100周年を記念したシリーズの、自動巻き機械式モデルである。やはり、購入するのであれば機械式がよかった。手にとって、鏡で見ると、とてもしっくりきた。私が求めていたデザインの時計である。知名度が薄いためか、歴史が浅いためか、実際に軽いからか、サブマリーナ-のような重量感はなかったが、それは私自身がここに歴史を刻めばよいものと思い、購入を決めた。

実際に腕にはめ、動かしてみると、これがとても良いのである。このモデルは表が一部スケルトンになっており、裏面は完全なスケルトンなのだが、動力が針を動かしているのが見え、なんというか、生きているようなのである。手でゼンマイを巻きながら、ジジジ・・・という機械式ならでは振動とともに、頑張って針を動かしているようで、愛着を覚える。当然、クオーツ式の方が、時間のぶれも少ないし安心感があるが、逆にいつ止まってしまうかわからない不安感があるからこそ、その存在を感じる。

革ベルトで、少し軟派な外観ではあるため、仕事はスウォッチ、プライベートはZEPPELINと使い分けようとなど考えている。スウォッチは(いわゆる)大人ファッション時計としての評価は低いように思えるが、長年付き添ってきた愛着があるため、電池交換しながら、出来るだけ付き合っていこうと思う。

良い買い物をした。

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